大晦日です。 今年もアルバム・オブ・ザ・イヤーを発表します。
今回もいつも通り、今年聴いて印象に残った音楽を紹介します。 今年発表かどうかや今年初めて聴いたかどうか、アルバムかどうかなどは問いません。
今年はようやく Spotify のアカウントを作ったり Discogs のアカウントを作ったりしました。 音源は買う派でやってるので課金はしていないですが、 ちょっと持ってないあれを聴きたいみたいなときに Spotify 便利ですね。 Discogs の方はコレクター心をくすぐってきて財布に優しくないですね。 diskunion に行ってこのバージョンを買っていいのか?と思ったときなどに便利です。
あとで聴くが溜まっていく問題は今年も深刻なのですが、 時間の流れに追いつくために FIFO をやめて LIFO にしたので割と2018年リリースが多い内容になっているかとは思います。 ただ、かなり気になっているけどまだ聴いていないような2018年の作品もパッと思いつくだけでいくつかあるので、 そこは来年優先的に消化していこうと思います。 というか世の中聴くべきものが多すぎますね。
今年は結構頑張ってコメントを書こうとしていたのですが、 途中で時間が無くなってきたので後の方に書いた部分ほどコメントが適当になっています。
アルバム・オブ・ザ・イヤー
明日の叙景 - わたしと私だったもの (2018)
東京のポストブラックメタルバンド明日の叙景の 1st アルバムです。
アルバム全体を通して静と動というか沈静と興奮というかの展開やバランスが激しく美しく、気持ちいい一枚です。
↓のインタビュー記事で本人たちが影響などについて話していて、それを読むとなるほどといった感じの音をしています。 toppamedia.com
聴く人は選ぶかもしれませんが、完成度も高くおすすめできます。
ノミネート
Aphex Twin - Syro (2014)
UK のテクノミュージシャン Aphex Twin の 6th アルバムです。
今年 Collapse EP が出ていますがこちらの方がたくさん聴いたのでこちらを。
Aphex Twin の過去のリリースほどの衝撃はないのかもしれないですし、 「Aphex Twin といえば?」と訊かれてこのアルバムを挙げる人もなかなかいないんじゃないかとも思うんですが、 気持ち悪さと気持ち良さがちょうど良い塩梅で同居していて Aphex Twin らしいアルバムだなと思います。
Archspire - Relentless Mutation (2017)
カナダのテクニカルデスメタルバンド Archspire の 3rd アルバムです。
4月に Obscura と一緒に来日した際に予習の過程で知りました。
世の中にはテクは凄いけど聴いていて面白くないバカテクバンドとテクも凄くて聴いていて面白いバカテクバンドがありますが、 こちらはバカテクな上にちゃんと印象的でメロディアスなリフだったりグルーヴ感だったりがあって聴いていて面白い方です。
3人揃って指板上を這いずり回る弦楽器隊やもちろんドラムも凄いのですが、 やはり特徴的なのは、 重機関銃のような、 弾を一発一発吐き出すかのような早口ボーカルです。 何かと音数の多いジャンルですがボーカルまで音数が多いとは。 なんでも循環呼吸を使っているらしいですね。
ライブでは正直メインアクトの Obscura を食ったのではの感もありました。 T シャツを買わなかったことを後悔しているので今度はメインアクトでまた来てください。
これをアルバム・オブ・ザ・イヤーにしようと思っていた時期もありました。
Billie Eilish - Don't Smile at Me (2017)
US のシンガーソングライター Billie Eilish の 1st EP です。
サマソニの予習の過程で知り観てきました。 シンガーソングライターということですが少なくとも曲はプロデューサーでもある兄の Finneas O'Connell と作ってるみたいです。
リリース時15歳ということで、その年頃っぽいというと悪いですが、 自己主張が激しくてぶっきらぼうで刹那的で不安定な、ヒリヒリした感じを味わえます。
Cornelius - Mellow Waves (2017)
小山田圭吾のソロプロジェクト Cornelius の 6th アルバムです。
Cornelius というか小山田圭吾については YMO でギターをやっていたことくらいしか知らず今まで聴かず嫌いならぬ単に聴かずだったのですが、 今回ソニマニで観たら良かったので入れました。
タイトルの通りメロウな、落ち着いた心地よい、洗練された一枚です。 この落ち着いた感じが夜にぴったりで、ソニマニの一組目として最高でした。
Cryptopsy - None So Vile (1996)
カナダのテクニカルデスメタルバンド Cryptopsy の 2nd アルバムです。
Cryptopsy の最高傑作と語られることも多い一枚ですが、 ピンと来ていなかった昔の自分は2012年の Loud Park でもチラっとだけ見て「やってんな~」くらいにしか思わなかったような気もしますし、 それからあまり掘り返そうということもなく何年も経ったわけですが今年になってこのアルバムをちゃんと聴いていないのはどうかと思い入手しました。
優勝。
Deafheaven - Ordinary Corrupt Human Love (2018)
US のポストブラックメタルバンド Deafheaven の 4th アルバムです。
2nd アルバム Sunbather の夏の強い日差しのような刺々しさは薄れ、 今作では暖かい日差しに包まれるような、全体的に前向きなイメージがありますが、 その前向きさの中で哀愁を感じさせるようなアルバムになっています。
曲あるいはアルバムを頭からちゃんと聴いているからこそ気持ちいい展開が所々にあり、 適当に聞き流しているとその快感は得られないので聴くのにかなり体力を使う一枚ではありますが、 頭3曲だけでもぜひチャレンジしてみてください。 その頭3曲だけで30分あり大体そこで集中力が切れるわけですが。
Emperor - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise (2001)
ノルウェーのシンフォニックブラックメタルバンド Emperor の 4th アルバムです。
前までは代表曲しか知らなかった Emperor ですが去年の Loud Park での来日を機に 2nd にハマり、 今年は 3rd と 4th に手を出しました。
ただただ複雑さと荘厳さ、迫力に圧倒される一枚です。 理解度では遠く及ばないですが、以前から読んでいたこちらのブログで「神盤」「墓まで持っていきたいアルバム1位」と絶賛されるだけのことはあるなと思いました。
Ihsahn のソロプロジェクトもこれまで聴かずしてきたのですが好みなのでは疑惑が出てきたので来年聴こうと思います。
Flying Lotus - Cosmogramma (2010)
LA の音楽プロデューサー Flying Lotus の 3rd アルバムです。
これもソニマニ記念で入れました。 幕張に向かう電車の中で自分は Obscura の Akróasis (Akróasis のTシャツを着ていたので)とこのアルバムを聴いて自分を高めておりました。
全曲繋がっており各曲長さもほどほどで展開も豊かなので流れるように聴けるのですが、 流し聞きは許さないような味の濃さで、 まあ「宇宙」という感じがします。
そういえば FlyLo 初長編監督作品の KUSO も観に行きましたがあれは良くも悪くも KUSO (半分以上誉め言葉)でした。 George Clinton の使い方には笑いました。
Grouper - Grid of Points (2018)
US のアーティスト Liz Harris によるソロプロジェクト Grouper の 11th アルバムです。
ピアノと多重録音された歌声、そしてノイズが美しいです。 7曲目 Breathing の最後に汽車か何かが複数通過してフェードアウトしていくのですが、 その後もしばらく余韻と静寂を楽しみたくなるような一枚です。
Jenny Hval - Blood Bitch (2016)
ノルウェーのエクスペリメンタルシンガーソングライター Jenny Hval の 6th アルバムです。
正直歌詞は全然理解していないのですが、吸血鬼や血、月経をテーマにしたコンセプトアルバムらしいです。 全編を通してシネマティックで曲を聴いているだけでも楽しめます。
Kamasi Washington - Harmony of Difference (2017)
LA のサックス奏者 Kamasi Washington の 1st EP です。
1~5曲目でそれぞれ異なる主題が提示され、 最後の6曲目でそれら5つの主題が対位法により組み合わされるという構成になっています。
ということでメイン6曲目の Truth ですが、 クワイヤなんかがやりすぎに感じることもありますがポジティブさを感じる暖かくて美しい1曲です。 今年のサマソニで一番楽しみにしていたのもこの Truth かも知れません。
次に出てくる King Crimson のトリプルドラムに数では負けますがこちらもダブルドラムで聴いていて楽しいです。
気づいたら Youtube から PV が消えていて残念です。
King Crimson - Meltdown: Live in Mexico City (2018)
UK のプログレッシブロックバンド King Crimson の最新ライブアルバムです。 このリリースはまだ買っておらず Spotify などでちょっと聴いただけなのですがライブには行ったのでライブの感想を書きます。
なんと言っても主役はトリプルドラムで、 3人が同様に叩いて圧を出したり別々に叩いて複雑さを出したりと、 3人いるからこそできるアレンジがたまりません。 結成50周年を目前にしながらも全く懐メロバンドではなくて、 「あの曲を聴けて良かった」とかではなく「2018年の King Crimson を観れて良かった」と思わせてくれる演奏でした。
演奏中の撮影などが禁止されていたり全席シッティングだったりオーチャードホールのロックコンサートにしては良い音響だったりと演奏に集中できる環境が作られているのも良かったです。 2015年の来日時にも見に行ったのですが向こうが良くなったのか自分が良くなったのか今回の方が圧倒的に楽しめたと思います。 近頃ライブに行って「正直家で音源聴いてる方が楽しいのでは」と思うようなことも多かったのですが、 これは音源には絶対に超えられない、間違いなく今年最高のライブでした。
Last Sacrament - Enantiodromia (2013)
フロリダのデスメタルバンド Last Sacrament の 1st? アルバムです。
Bandcamp Daily の微分音特集で知りました。 daily.bandcamp.com
もうお分かりの通り微分音の採用が特徴です。 色物と侮るなかれ、微分音の居心地の悪さがデスメタルの禍々しさを引き立てていて効果的で良いです。
Mammal Hands - Becoming (2018)
UK のクロスオーバージャズトリオ Mammal Hands の 1st EP です。
去年のアルバム・オブ・ザ・イヤーには彼らの 2nd アルバムを選びました。
1st アルバムからぶれることなくジャズやエレクトロニカ、ポストロックなどのクロスオーバー的な音楽性を続けていて良いです。 セルフ?ライナーノーツが今作の bandcamp ページに書かれています。
去年来日したのでしばらく来ないかと思っていましたが Gondwana 10 として今年も来日してくれました。 Gondwana 10 で一緒に来日した Portico Quartet や Noya Rao だったり、 Go Go Penguin も一応観に行ったりしたんですがあまり聴けていないので来年の宿題ですかね。
Mark Guiliana Jazz Quartet - Jersey (2017)
US のドラマー Mark Guiliana によるジャズプロジェクト Mark Guiliana Jazz Quartet の 2nd アルバムです。
今年まで全く知らなかったのですが、 ジャズ好きの友人に前作 Family First の4曲目 Long Branch のイントロを聴かされながら来日公演を観に行かないかと誘われ、 それが良かったので観に行ってきました。 そういうわけで Family First を選んでも良かったんですがより新しい作品で好きな曲も多いこちらを。
ハイハットやシンバルの細かいドラミングが聴いていて楽しいです。 Mark Guiliana が別プロジェクトでやっているというビートミュージックの方はまだ聴いてないのであまり適当なことを言うとよくないのですがそちらの影響もあるんでしょうね。
来年周辺もいろいろ聴いていきたいと思います。
Mastodon - Blood Mountain (2006)
US のプログレッシブメタルバンド Mastodon の 3rd アルバムです。
これまで何度かチャレンジしつつも Mastodon にはあまりピンと来ていなかったのですが、 サマソニで4拍子に飽き飽きしていたところで Mastodon を観て、 その6拍子の多用に大変興奮しつつも実家のような安心感を覚えすっかり虜になってしまいました。
サマソニでこのアルバムからたくさんやったというわけではないのですが、 6曲目の Bladecatcher が最高だったのでこのアルバムを選んでおきます。
Meshuggah - The Violent Sleep of Reason (2016)
スウェーデンのエクストリームメタルバンド Meshuggah の 8th アルバムです。
あまり2年連続で入れることはしない、 というか入れたアルバムは翌年そこまでたくさん聴かなくなることが多いのですがこれは今年もめちゃくちゃ聴いたので入れます。
Meshuggah のアルバムの中で一番キャッチーで聴きやすいアルバムな気がしてきたので是非皆さん聴いてみてください。
Noname - Room 25 (2018)
シカゴ出身のラッパー Noname の 1st アルバムです。
2nd じゃないの?と思ったら前作 Telefone は Mix-Tape 扱いのようです。 なんとなく去年のアルバム・オブ・ザ・イヤーには書かなかったんですが前作もかなり良いので聴いてみてください。
今作も前作に引き続きジャズやソウル調のトラックの上に気持ち良いフロウと重めのリリックが乗っていて、 前作からの2年間のことを主に歌っているようです。
Pale - EP (2018)
東京のポストブラックメタルバンド Pale の 2nd? EP です。
かなり粗削りで攻撃的な轟音ポストブラックです。 なんかドラムが重いなと思ったりもしたんですが攻撃力が増していいのかもしれません。
2曲目の Juvenile は前作の Demo EP に収録されているものからかなりアレンジが変わっていて、 クサいギターがいなくなってしまったので悲しいです。
Palm - Rock Island (2018)
フィラデルフィアのマスロックバンド Palm の 2nd アルバムです。
サンプリングされたフレーズを繰り返し再生しているかのような構成だったりギターシンセによるスティールパンのサウンドだったりといろいろと変なんですが、 なぜかポップで聴きやすい一枚です。
Paranoid Void - Literary Math (2017)
大阪出身のマスロックバンド Paranoid Void の 1st アルバムです。
Intervals 大阪公演のゲストアクトをやっていて知り、 Intervals 東京公演の方には来ないのかと思っていたら1月後に東京でライブがあって見に行ったりもしました。
↓のセルフライナーノーツの中に「『今は主旋律になる人』『今はちょっと後ろに下がる人』『今はちょっと横にずれる人』」といった話があるのですがその通りで、 全員前に出過ぎることもなく誰かが後ろに下がりすぎることもなくバランスよく3つのパートを楽しむことができます。 literarymath.goat.me
内容はがっつりマスロックなのですが、その中から邦ロック臭がほどよく香ってきて良いです。
Sacral Rage - Beyond Celestial Echoes (2018)
アテネのテクニカルスラッシュメタルバンド Sacral Rage の 2nd アルバムです。
オールドスクール感溢れるサウンドも良いですし、展開も小気味よく、聴いていて気持ち良いスラッシュメタルです。
ダサいジャケットも良いです。
Sélébéyone - Sélébéyone (2016)
ニューヨーク出身のサックス奏者・作曲家 Steve Lehman によるプロジェクト Sélébéyone の 1st アルバムです。
めちゃくちゃやってるドラム・ベースの上でウォロフ語・英語でのラップとサックスが暴れており、 実は陰でピアノ・キーボードも気味悪いことやってる Ill で Dope な作品です。
Stoort Neer - en glad titel på en sorglig skiva (2018)
Vildhjarta のギタリスト Calle Thomér によるプロジェクト Stoort Neer の 1st アルバムです。
ドラムのプログラミングは Vildhjarta のドラマー Buster Odeholm が務めているようです。
内容はまあ Vildhjarta という感じで、全編にわたって Thall なリフを楽しむことができます。
アー写?が Hasselblad で撮られているのがスウェーデンっぽいです。
The Black Dahlia Murder - Unhallowed (2003)
デトロイト出身のメロディックデスメタルバンド The Black Dahlia Murder の 1st アルバムです。
今年アルバム発表15周年ということで東京公演2日目はこのアルバムを全曲やるというセットリストでした。 ライブの方は人が多すぎてしんどかったわけですが、 やっぱりこのアルバムはいいな~と思ったので入れておきます。 TBDM は nerd のヒーローという感じがして良いですね。
「TBDM は US 産にもかかわらずスウェディッシュメロディックデスメタルの影響を色濃く受けている」と言われることに今までピンと来ていなかったわけですが、改めて聴いてみるとめちゃくちゃ At the Gates ですね。 そういえば At the Gates の来日公演も今年行きましたが新譜はちゃんと聴いてないです……
Thundercat - Drunk (2017)
ロサンゼルス出身のベーシスト Thundercat の 3rd アルバムです。
昨年かなり話題になっていたアルバムだと思いますが今年になってからちゃんと聴きました。
ベーシストのソロアルバムですがテク見せびらかし的な要素は薄めで、 どちらかというと Thundercat のおしゃれなベースとスウィートな歌声を楽しむ内容になっています。 24曲と曲数は多いですがほとんどが1分台2分台なので飽きることなくスムーズに、ゆったり楽しく聴ける一枚です。
Tigran Hamasyan - Mockroot (2015)
アルメニア出身のジャズピアニスト Tigran Hamasyan の 6th アルバムです。
前作 Shadow Theater もアルメニア民族音楽に由来するというエキゾチックなメロディとポリリズムや変拍子などプログレッシブメタル感のあるリズムの融合が特徴でしたが、 今作ではそのリズムパートのプログレッシブメタル感がさらに強調されています。 10曲目の To Negate や11曲目の The Grid なんかはもう Djent 感がバリバリです。
前は↓のライブのフル動画が Youtube にあったと思うんですが消えていて残念です。
Tricot - Potage / ブームに乗って (2018)
京都出身のマスロックバンド Tricot の 5th シングルです。
初期の変拍子を荒々しく前面に押し出した感じも良かったですが、 最近のマスさを上品に忍ばせた歌モノ要素強めな感じも良く思えるようになってきました。
アナログ盤を買うとついてくるデジタルダウンロードが mp3 だったので FLAC にしてほしいなと思いました。
サカナクション - 魚図鑑 (2018)
サカナクションの 1st ベストアルバムです。
今年から始まったフジロックのインターネット配信でサカナクションを観て、 ちょうどその日は人が家に酒を飲みに来る日だったのですが、 人が来る前に一人で部屋を真っ暗にして画面を見ながら盛り上がっておりました。 落ち着いた序盤から徐々に盛り上がっていくセットリストで良かったですね。
また、オーディオオタクの友人に誘われて行った東京インターナショナルオーディオショウの TAD のブースで JPOP を流すという企画があり、 そこで高音質で聴いた新宝島がかなり印象に残りました。 その後数日間は自分の環境で新宝島を聴いても物足りなく感じてしまいつらかったですが幸か不幸か段々と手元の音に慣れてきました。
こういう企画でベストアルバムを選ぶのはどうなんだみたいなところもあるとは思いますが、 フジロックの配信で改めてサカナクションいいなと思ったのと高音質で聴いて新宝島いいなと思ったのを併せてこのアルバムを選んだということで。
崎山蒼志 - 夏至/五月雨/神経 (2018)
静岡県出身のシンガーソングライター崎山蒼志の 1st シングルです。
AbemaTV 「日村がゆく!」内の企画「高校生フォークソング GP」に出場してバズった人です。 ここら辺は「俺はバズった瞬間から知ってたぜ」アピールになるのですが(バズる前からは知らない)前から「日村がゆく!」は見ていて(最近は見逃し試聴が無料ではなくなったので見ていませんが)、 高校生フォークソング GP では曲より歌詞やメッセージ重視のものが多い中、 彼は曲も面白く歌詞もひねくれていて印象的でした。 五月雨は開放弦を用いたイントロからもう良いですね。
各所でのインタビューを見てみるといろいろなアーティストからの影響が語られていて、 例えば冴えない見た目の男がキレッキレにギターを掻き鳴らしているあたりがなんか向井秀徳っぽいなと思っていたんですが、 尖っているゾーンのときに NUMBER GIRL を聴くとか言っていたりしてかなり上から目線ですがちゃんと NUMBER GIRL 通ってるんだと安心したり、 他にも名盤といえば Radiohead の Kid A とか書いてあって、 組んでいるというバンドの名前の Kids A はそこからとったのかなとか 1st アルバムのいつかみた国に収録されている DTM 曲はそこら辺からの影響なのかなと勘ぐったりしてしまいます。